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November 12, 2005

フランス暴動に思うこと

産経新聞の『緯度経度』という特集コーナーで、山口昌子パリ特派員がフランス暴動について数日に渡り記事を書いている。フランスの社会情勢を紹介しつつ、この度の仏暴動を解説していて非常に興味深い。
まずは今日の記事の一部を紹介。

『仏暴動、理念と現実の衝突』(産経新聞 11月12日)
(…省略…)
 ところが、暴動事件そのものは、単なる治安問題の様相を示している。参加者に未成年が多く、親の責任など個人的事情も問われている。暴動事件は全国に拡大はしたが、より幅広い国民の共感を得るどころか、同じ〝郊外〟の住民ら自身からも反発が出ていることは、この地域に多い失業者の77%が暴動事件を否定していることからも明らかだ。
 こうした住民は、自分の車や息子や娘が通う学校、自分が通う体育館を焼かれた被害者だ。若者達の中には犯罪者歴を持つも者も少なくなく、学校に通わず、マリファナや盗品の携帯電話の売買などで小遣いを稼いでいる例も報告されている。(…省略…)
 失業者もある意味での被害者だ。暴動に参加した未成年者の親達の多くが失業者で、手厚い社会保障制度に加えて少子化対策の援助もあり、あくせく働く労働者の最低賃金より収入が多い場合があるからだ。その結果、労働意欲を失い、子供への権威も失っているとの批判が出ており、社会保障制度の見直しや、失業保険期間の短縮などの議論がますます活発になるのは必至だからだ。(…省略…)

そう、この暴動の背景にあるものは『貧困』や『差別』などへの不満という単純なモノでは無く
フランスが推し進めてきた「仏独式の社会福祉重視の社会政策モデル」の失敗なのかもしれない、と山口特派員は言っているのだ。
つまり、手厚い社会保障制度が低所得者層の自立心を奪い、彼らの社会モラルを低下させ治安悪化を招き、結局は暴動を誘発し彼ら自身がその被害者となってしまったのではないか?ということ。

この仏の失業者の他力本願、他者依存・・・ニートとそっくりじゃん。
もしニート諸君が、仮に手厚い社会保障のもとでニートのまんま家庭を持ち子供を設けた場合、その子供たちは社会性の学習もままならず、普通に働いている家庭の子供たちから差別され、はじきだされ、社会に対して不平不満をくすぶらせ、数十年後には、嗚呼、仏暴動ならぬ日本暴動・・・。

とは言っても、他者との関りがちょー苦手なのがニートなのだから、そもそも他人と一緒に暮らす結婚なんて有り得ないか。いやいや、ニート・フリーター増加が未婚者を増やし少子化を一層加速させるという指摘もあり、猪口少子化・男女共同参画担当相は、少子化対策としてニートを含む低所得者層への支援もなにやら考えてるみたい。

『安心して子供を産み育てられる社会』・・・これは大事だけど、、、

でもね、『理想』ばっかり頭でっかちに追い求めて『現実』を直視しなかったフランスを良い教訓として、少子化対策以上にもっとニート対策を考えてもいいのかもしれない。

【2005.11.13 add】
『Tant Pis!Tant Mieux!そりゃよござんした。』さん 「法は法。ママンはママン。サルコよりママン。」 へTB
園丁日記』さんの記事で知ったブログ。サルコジ内相の「社会のクズ」発言を日本では〝暴言〟として扱うメディアが大半だが、実はその発言はもっとユーモアの効いた問答のようなものとブログ主のma_cocotteさんは解説している。
更にフランス左派とサルコジ氏の論戦も面白い!実に面白かった、このブログ♪

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親の責任。 ”暴動”っていう国を揺るがす大きな混乱が、 政治を司る偉い人たちに、勇気ある無謀な1歩を踏み出させちゃいました。 [Read More]

Tracked on November 24, 2005 at 01:42 AM

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